遊郭や花街を舞台にしたクラシック映画厳選したオススメ3作品

Sponsored link

こんにちは。
今回はみなさんに、花街を舞台にしたクラシック映画を厳選して3作品ご紹介します!

 

これからご紹介する3つの作品は、花街(かがい)で働く女性を鮮やかに描いています。
「花街」ということばは、かつて”芸妓屋(げいぎや)、遊女屋(ゆうじょや)が集まっている区域を指す名称”で”遊郭(ゆうかく)の別称としても使用”されていました。

注釈
*芸妓屋:芸妓とはいわゆる芸者のこと。芸妓屋は芸者を雇い住まわせ管理し、仕事を斡旋する業者のこと。
*遊女屋:遊女をかかえて住まわせ、客を遊ばせる店(家)のこと。
*遊郭:遊女をかかえた家が集まっている地域のこと。色街も同じ意味。
しかし近年は”もっぱら芸妓を呼んで楽しむことのできる区域”として使用されています。

京都の祇園のような街といえばイメージしやすいでしょうか。

これからご紹介する作品は近年の「花街」ではなく、「色街(いろまち)」「遊郭」を舞台としています。

Sponsored link

はじめに

意外なことに、つい60年ほど前に売春防止法が施行されるまで、遊郭は全国のいたるところで営業していました。

現在でも違法や脱法、黙認というかたちで生き延びている遊郭もあるそうです。

不謹慎かもしれませんが、なんともミステリアスですね!
昭和初期の遊郭建築には、タイルやステンドグラスをふんだんに使ったとても豪華なものも多かったといいます。

ありし日の姿をとどめる遊郭跡も現存しており、見学に訪れるファンも少なくありません。

蛇足ですが、大阪の飛田新地にある「鯛よし百番」は、当時の面影をあますところなく残しており、現在も料亭として営業しています。

 

艶っぽい建築が好きな方にはぜひおすすめしたい貴重な場所です!
さて、これからご紹介するのは、遊郭に興味がある方だけでなく、歴史に関心のある方にも楽しんでもらえる作品ばかりとなっております!

・遊郭が存在していた時代をかいま見てみたい!
・花街での生活を追体験してみたい!
・旅行で遊郭跡を訪れる前に歴史的背景を知りたい!

そんな方に特にオススメです。

遊郭イコール悲惨、悲しいという先入観がある人は、この3作品を観て、少し見方が変わるかもしれません!

『縮図』

「縮図」は「原爆の子」や「午後の遺言状」など、新藤兼人監督作品といえばこの人!名女優乙羽信子主演の映画です。

公開は1953年。乙羽信子はのちに新藤兼人監督の妻となります。

 

あらすじ
舞台は明治時代なかば、東京下町から物語は始まります。

靴直しの娘銀子は、貧しい家族を支えるために千葉県の芸者置屋へ売られることになります。

置屋での生活を始めた銀子は置屋主人からの折檻に苦しみます。

見兼ねた父銀蔵が、やっとの思いで銀子を家に連れ帰る。

しかし、今度は銀蔵が病に倒れたため、銀子は再び身売りを余儀なくされるのでした。

貧困、失恋、いじめ、病気、家族の死など、次々と襲いかかる不幸にも立ち向かい、たくましく生きる銀子の半生を描きます。

 

おすすめポイント
社会の底辺を生きる人々の姿を、生き生きと描いたヒューマンドラマです。

私なら毎日泣いて暮らすしかないだろう、という過酷な状況にも銀子は負けません。

稽古事に通い、虐待や差別にあっても顔をあげ、強く懸命に生きます。

悲惨になりがちなテーマをにもかかわらず、銀子のたくましさに勇気づけられ、爽快な気持ちにすらなる映画です!

 

愛嬌ある少女銀子を見事に演じきっている乙羽信子は、映画公開当時なんと29歳でした。

29歳であのあどけない少女役をこなすとは驚きです!

そんな乙羽信子の魅力を陰ながら支えるのが脇役の面々です。

特に老け役を演じさせたら天下一品といわれた、銀子の母お島役の北林谷栄にも注目です!

ファンの贔屓目と言われるかもしれませんが、映画公開当時42歳の北林谷栄は、どう見ても老婆にか見えません。

『五番町夕霧楼』

「五番町夕霧楼(ごばんちょうゆうぎりろう)」は水上勉原作、山根成之監督の1980年公開の映画で主演は松坂慶子。

1963年にも映画化されていますが、こちらは佐久間良子主演、田坂具隆監督の作品です。

気になる方はあわせて御覧下さい!

 

あらすじ
戦後間もないころ、京都丹後の木こりの娘夕子は、貧しい家族のためにみずから京都の五番町夕霧楼に身売りをします。

器量好しだった夕子は、1年後夕霧楼きっての売れっ子遊女となります。

そんな夕子もとに、京都の寺で修行をする幼なじみの青年僧正順が訪ねてきたことで、ふたりはプラトニックな愛を育むようになるのでした。

夕子を待ちうける病、ふたりの仲を裂こうと画策する好色な老人、大人への幻滅など、若いふたりの心の葛藤が壮絶なラストに結びつきます。

 

おすすめポイント

夕子と正順が京都で再会してから、物語は絶望へ向けて加速していきます。

短い生涯を太く短く生きたふたりの葛藤が、生々しく描かれている作品です。

なんといっても、うら若き松坂慶子の艶かしい美貌が作品の魅力になっています!

「縮図」とは反対に、主人公たちの「死」にたいする憧れを感じる作品です。

「もう少し生きる方法を模索してもよかったのでは?」と悲しい気持ちなってしまいますが、ラストの松坂慶子の姿でそれも帳消しです。

それは見てのお楽しみ!

 

五番町遊郭は1958年の売春防止法施行まで、京都の西陣に実在していた色街です。

現在の住所は「京都府京都市上京区五番町」

なんと「五番町」という地名がそのまま残っているのです!

建物はほとんどが壊されてしまいましたが、わずかながら面影をとどめているものもあるので、訪れた際にはぜひ探してみてください!

『赤線地帯』

「赤線地帯」は1956年に公開された溝口健二監督作品です。

溝口健二監督の遺作ともなりました。

主演は三益愛子、京マチ子、若尾文子、木暮実千代など

主役を明確にすえることなく、何人もの女優が次々に登場する群像劇です。

 

あらすじ

注釈
*特殊飲食店:”売春防止法が施行されるまで、売春婦を置いていた飲食店。特飲店。”
*オンリー:パンパンとは異なり、特定の相手とのみ愛人契約を結んで売春関係にあったもののこと。
*投げ込み寺:遊女の遺体が放りこまれた寺のこと。

舞台は1956年、吉原の特殊飲食店「夢の里」。

国会では売春防止法案が審議されている最中のことです。

法案が成立すれば、娼婦は監獄行きだと主人から脅される娼婦たち。

「夢の里」で働く娼婦はそれぞれにどうにもならない事情を抱えていました。

 

普通の主婦に憧れるより江、病気の夫と乳飲子のために働くハナエ、田舎に暮らす一人息子との同居を何よりも楽しみにするゆめ子、客を騙しては貯金にまわし、仲間の娼婦に金貸をしているやすみ、みずから進んで黒人兵士の「オンリー」になった元お嬢様のミッキー、そして下働きで入ったしづ子。

法案の不成立を聞くと、なにごともなかったかのように、彼女たちは街にまた立つのでした。

愛する者からの裏切り、軽蔑、理想と現実のギャップ、復讐など悲喜交々(読み方:ひきこもごも 意味:”悲しみと喜びをかわるがわる味わうこと”)をそれぞれの女性の立場から描いています。

 

おすすめポイント
それぞれの事情を抱きながらも、ここでしか生きる術のない女性たちの姿を、軽妙なテンポで生き生きと描いた作品です。

軽いタッチのせいか、どこかユーモラスですが、たくましさやしたたかさなど、女性の力強さを感じることができる傑作でもあります。

「雨月物語」、「羅城門」、「地獄門」などが海外の映画祭で数々のグランプリを受賞し、「グランプリ女優」との異名をもつ京マチ子。

 

彼女の演ずる生命力あふれるミッキーは存在感が抜群です!

ミッキーの自由奔放さが妬ましくも心奪われてしまいました!

また、ラストで下働きから遊女になり客引きをするしづ子の姿にもぜひ注目してください。

けっして美人ではないのに人をグッと惹きつける魅力があります。

個人的にはとてもツボな女優さんです!

 

「赤線地帯」はどうしようもない現実をたくまししく生きる女性に主眼をおいて描かれています。

強く生きる主人公たちに勇気づけられると同時に、「もしどうしようもない事情がなかったとしたら、彼女たちは同じ道を歩んだだろうか?」と考えさせられます。

気丈さに隠された彼女たちのヒリヒリした心の痛みは、女性ならきっと共感できるはずです!

また「夢の里」は架空の店ですが、吉原は現在もソープランド街として生き残っています。

遊郭時代に投げ込み寺だった「浄閑寺」には、遊女の慰霊碑など当時をしのぶものがあるので、吉原散策には外せない場所です!

いかがでしたでしょうか。

作品の内容もとても大切ですが、出演する女優さんたちの美しい容貌や個性も楽しみな鑑賞ポイントです。

ぜひ楽しんでご覧下さい!

ではまた!

Sponsored link

この記事を書いた人

たたら
たたらライター
ライターをしています。好きな映画のジャンルは「心がヒリヒリする」系とホラーです。

映画館には基本的にひとりでおもむきます。
一番前の一番真ん中の席で、スクリーンを独り占めした気分で鑑賞するのが好きです。
映画館で食べるポップコーンはどうしてあんなに美味しいのでしょうか。

ABOUTこの記事をかいた人

ライターをしています。好きな映画のジャンルは「心がヒリヒリする」系とホラーです。 映画館には基本的にひとりでおもむきます。 一番前の一番真ん中の席で、スクリーンを独り占めした気分で鑑賞するのが好きです。 映画館で食べるポップコーンはどうしてあんなに美味しいのでしょうか。