2019年10月18日公開の吉田修一の短編集「犯罪小説集」を、瀬々敬久監督が映画化「楽園」
Blue-ray/DVDレンタル開始日とBlue-ray/DVD発売日が決定しました。
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「DVD・Blu-rayレンタルと発売日決定しました」
Blue-ray/DVD発売日
2020年4月2日(木)発売
Blue-ray/DVDレンタル
2020年4月2日(木)レンタル開始
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「楽園」作品の詳細
「悪人」「怒り」と映画化の続くベストセラー作家吉田修一の「犯罪小説集」から、実際に起こった事件をモチーフにした「青田Y字路」と「万屋善次郎」の2編を原作に、「64 -ロクヨン-」の瀬々敬久監督が綾野剛主演で実写映画化するミステリー。
作品情報
- 上映時間:129分
- 制作年:2019年
- 配給:KADOKAWA
- カテゴリ:Y字路が繋ぐ二つの事件、実話を元にした衝撃の田園サスペンス!
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予告
みどころ
みどころです♪
「64 -ロクヨン-」ではひとつの事件を二部作で描いた瀬々監督が、同作で圧倒的存在感を見せつけた佐藤浩市や好演していた綾野剛らと共に描く最新作は、逆に二つの題材をひとつに繋げる意欲的なクライムドラマです。
Y字路が繋ぐ二つの集落で起きた事件。
ひとつは迷宮入りとなった北関東連続幼女誘拐殺人事件がモデルであり、もう一つは山口連続殺人放火事件を思わせます。
原作者がこんなにも物語をコントロールできず、登場人物の感情に呑まれそうになったのは初めてだったと語るほど、リアルな半ノンフィクション犯罪小説として物議を醸しました。
二つの事件の共通項はどちらも集団心理が人を追い詰める点、そして舞台が閉鎖的な田舎である点。
綾野剛演じる中村豪士は少女失踪事件の容疑者
12年前にも同様の事件が未解決のままになっているこの村では、二度と惨劇を繰り返すまいと魔女裁判が過熱し、豪士を追い詰めます。
またさらに過疎化の進んだ限界集落には、密になりすぎた人間関係の弊害で村八分になる孤独な男・田中善次郎がいました。
佐藤浩市演じる善次郎は村おこし事業に尽力する養蜂家にすぎませんが、すれ違いから孤立を深めて精神に異常をきたし、想像を絶する事件を引き起こします。
別々の事件を繋ぐ存在として、映画独自でピックアップされるのが被害少女と事件直前まで一緒にいた親友・湯川紡。
杉咲花演じる紡は豪士の不遇に共感するようになる一方、村上虹郎演じる幼馴染に慕われてもいます。
彼女の人格が掘り下げられたことで行動範囲が広がり、悲劇と悲劇の接点になるのかもしれません。
負の連鎖により発生する未曾有の悲劇の、犠牲者は何人か、犯人は誰なのか
瀬々監督自ら練り上げた脚本はのどかな田園風景に潜む人間の暗部を抉り出し、容赦なく糾弾。
しかしおそらく住人達には響かないので、その痛みは観る者が請け負うこととなるのです。
「楽園」というタイトルの皮肉に、現代社会の抱える高齢化、マイノリティーへの差別、東京一極集中化等、様々な問題が鈍く光ります。
綾野剛も、佐藤浩市も、杉咲花も、まるで笑わない楽園など、あるはずもないでしょう。
彼らは何に怒り、嘆き、絶望するのか。
私刑の恐ろしさは、果たして地方特有のものでしょうか、SNS全盛の時代に、心当たりの無い人はよほど残酷な感性の持ち主です。
「日本で一番悪い奴ら」「殺人の追憶」「ザザンボ」「マイ・バック・ページ」などと併せて鑑賞するのも興味深いはず。
「楽園」に生きる人々も、原作者も、制御できない感情と憎悪の拡散。
己が正義とリテラシーを問いに、事件の全容を確かめに行きましょう。
…Y字路のその先へ!
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