あらすじ

8歳のときに起きた一家惨殺事件で生き残ったリビー(シャーリーズ・セロン)のもとに、有名事件の真相について話し合う「殺人クラブ」から招待状が届く。

彼女が兄の犯行を目撃したと証言したことで、当時15歳だった長男ベンが終身刑を宣告された事件について話してくれれば謝礼を支払うという。

生活費に困っていた彼女は申し出を受け、家族を襲った悲しい事件を振り返るが……。

※ここから下記はネタバレを含みます

Thank you as always.Please spend a good time in the movie.
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映画の感想&レビュー

28年前にカンザスで起きた一家惨殺事件により、被害者として母親と二人の姉を失い、加害者として兄を失った女性が主人公・・・つまり終始暗い物語です。ですが、事件後に募金などに頼って自堕落に暮らしていた女性が作中のメインストーリーをきっかけに再生していく話でもあるので、嫌な気持ちになるだけの映画は見たくない!という方でも愉しめる内容だと思います。

 

惨殺事件後にゴミ屋敷のような家で希望なく暮らしていた主人公であるリビーのもとに「殺人クラブ」なる過去の事件の再調査をする奇妙な団体から手紙が届き、金銭と引き換えに目をそらしてきた事件の再調査に臨むというミステリーテイストの強い作品なんですが、リビーを演じた女優のシャーリーズ・セロン自身が過酷な過去を抱えているために、どこか私小説めいた雰囲気も漂います。

 

『モンスター』といい、この女優が陰惨な事件に関する作品に出続けることには(ディカプリオが妻を失う男を演じ続けるように)オブセッションが関わっているように思えて仕方がないですが、それだけに今作においても過剰なまでの役作りは健在で、化粧やファッションがばっちりならスーパーモデル顔負けの美貌を完全に消し去り、覇気のない虚ろな目と、不健康そうな肌の質感で主人公のリビーを演じています。

 

ちなみに、今作にはシャーリーズ・セロン&ニコラス・ホルトという『マッドマックス 怒りのデスロード』のメインキャストが揃っているので、マッドマックスファンにとって隠れた喜びがあります。
事件の真相に関わる貧困には当時のアメリカを襲った農業不況を理解していないと、現実離れしたおかしな行為に思えて興ざめする可能性があります。
そのへんの事情はアメリカ国内ならお馴染みのことで時間を割かなかったんでしょうが、世界配給を前提にしたアメリカ映画にして少し失敗しているようにも思えました。

 

今作を完全なミステリーとして見るとラストの展開に物足りなさや違和感を覚えるかもしれませんが、傷ついた女性が再生する物語のきっかけとして一連の調査や真相を観るのが正しい捉え方だとおもいます。
犯人探しを主軸にした物語だとおもって見ると、ミステリ好きには少しアンフェアに感じられるかもしれませんが、そのように観るべき作品ではありません。